歯周病治療
歯周病治療

歯周病とは、歯と歯ぐきのすき間から細菌が侵入し、歯肉に炎症を引き起こし、歯を支える骨(歯槽骨)まで溶ける病気です。また、溶けてしまった骨は、基本的に再生することはなく、一方的に進行し続けます。むし歯と異なり痛みがないことが多く、気づかないうちに進行する特徴があり、歯周ポケットが深くなっていくと、歯肉が腫れたり、歯がグラグラしたりして、ものが噛めなくなるほど重症になることもあります。
歯周病は大切な歯を奪ってしまうだけでなく、全身疾患とも深い関わりがあることが指摘されています。歯周病と全身状態との関連する研究では、久山町研究1)が有名であり、歯周病菌と糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、早産、認知症との関連性が高く示されており、2026年現在世界的にも非常に注目されています。
また、最近になり、国際的な総合学術誌『Nature』にて大腸がんに関連する細菌が特定され、腸内にほとんど存在しない歯周病原菌Fn菌(Fusobacterium nucleatum)が挙げられ2)、消化器系のがんにおいても歯周病のケアが非常に大事であることが、世界的に注目されるようになりました。
歯周病を「たかが口の病気」と放っておくと、知らず知らずのうちに健康寿命を縮めてしまうことが数多くの論文で示されています。
歯みがきを中心としたセルフケアはもちろん、歯科での定期検診でお口のチェックやプロフェッショナルケアを受けて、歯周病の早期発見・治療を心がけましょう。
全身疾患と歯周病

メタボリックドミノ

1)地域住民における口腔の健康状態と生活習慣病の関連性の検討
―久山町研究―. 古田美智子, 竹内 研時ら. 口腔衛生会誌 J Dent Hlth 66: 465-474, 2016
2)A distinct Fusobacterium nucleatum clade dominates the colorectal cancer niche(大腸がんの病変部で優勢な Fusobacterium nucleatum 系統を特定)
Martha Zepeda-Rivera et al.Nature. 2024 Apr; 628(8007):424-432. doi:10.1038/s41586-024-07182-w
歯周病のケアの重要性については、上記に示しましたが、実際に、早期発見、早期治療において実際にスウェーデンのカールスタッド市で30年にわたって行われた研究3)があります。その研究によると20〜35歳で早めに定期的なクリーニング・衛生指導を行った患者さんの30年後の歯の喪失本数は0.4本、36〜50歳で始めた方は0.6本との結果が出ており、平均的な歯の喪失本数よりも、明らかに減少している結果が示されました。早期の定期的なクリーニングの介入で、将来のご自身の口腔内の健康、全身状態の健康を積極的に守っていきましょう。

3)The long-term effect of a plaque control program on tooth mortality, caries and periodontal disease in adults Results after 30 years of maintenance P. Axelsson, B. Nystrom and J. Lindhe. J Clin Periodontal 2004 31:749-757
歯周病の直接の原因は磨き残しですが、口腔内の環境や生活習慣の中に、歯周病になりやすくなったり、悪化させたりする危険因子が潜んでいることが知られています。
この因子が重複することで、歯周病の発症リスクが高まります。とくに口の中の清掃不良に加え、喫煙などの生活習慣、過度のストレス、体調不良による抵抗力の低下、過度な咬合力などが加わると危険です。
歯周病予防は、適切な歯みがきでプラークを取り除くことが基本ですが、規則正しい生活習慣は、歯周病を寄せ付けないためにも大切です。また、生まれつき歯周病にかかりやすい体質の方もいらっしゃいますので、ご自身の体について知り、対策を講じることも大切です。当院では、患者さん一人一人に合わせて、治療・予防のご提案をさせていただきます。
歯周病の治療では、歯周病の元となる磨き残しによるプラークや歯石を取り除く「歯周基本治療」を主に行い、患者さんご自身が行う「セルフケア(ブラッシング)」と、歯科で行う専門的な「プロフェッショナルケア」の両軸で進めます。
軽い歯周病であればプラークや歯石を取り除く歯周基本治療だけでも治ることもあります。一方、歯周基本治療だけでは取り除くことができない歯肉の奥にたまった汚れなどには、「歯周外科治療」を検討します。かなり進行した重度歯周病に対しては、抜歯が必要となる場合もあります。
また、歯周病で歯の支えの骨まで溶けてしまった場合、基本的に骨の再生は期待できません。ただ当院では適応は限定的にはなりますが、『歯周再生療法』にて骨の再生を期待できる治療の提供も可能です。『歯周再生療法』は、専門的な治療となるため、詳しく治療について、聞きたい、受けてみたいとお考えの方は、スタッフまでお気軽にお聞きください。
| 歯肉剥離掻爬術 (保険の歯周外科療法) |
保険点数に準ずる |
|---|---|
| 歯肉剥離掻爬術+リグロス塗布 (保険の歯周再生療法) |
保険点数に準ずる |
| エムドゲイン+骨補填剤による歯周再生療法 (1歯につき) |
110,000円 |
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